KANJIN狂言は寺社及び東北復興のための資金をつくる「勧進」を現代風にアレンジしたプロジェクト。
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KANJIN狂言の趣旨

 

 「勧進」とは元来、仏道に入る事を人に勧める意味ですが、 中世以降は寺社の建立や再建、修繕のための資金集めをさし、その手段として 狂言や能、相撲などが催されていました。

 

この「KANJIN狂言」は、今回の東日本大震災復興支援を目的とし、多方面への寄付金を集めるチャリティー企画として立ち上げました。

 

また、寺社における地域振興と狂言普及を目的としています。この企画にご賛同頂けるサポーター、スポンサーを募集しております。

 

僕らにしか出来ない「何か」をカタチにし、ご来場の皆様に「笑い」を届け、 1人でも多くの方が「幸せ」になれるよう祈っています。

2011,11/8「KANJIN狂言@熊谷妻沼聖天山」公演レポ。

 

↑「埼玉新聞」に当日の様子が掲載されました!


日本三大聖天山とも称される「妻沼聖天山歓喜院」。源平合戦でも有名な武者、斎藤別当実盛公に縁のあるお寺です。聖天様を中心に、懐かしさと温かさのある妻沼町。歴史ある地で、また地元の方々との交流もあり、私たちにとっても充実した公演となりました。

とき:平成23年11月8日(火)

時間:18:00開場 18:30開演 19:30終演予定

・場所:妻沼聖天山歓喜院(金剛殿)
     (埼玉県熊谷市妻沼1627)

 

  • 番  組
  • 「おはなし」大藏教義
  • 『棒縛』

    シテ(次郎冠者)上田 圭輔

    アド(主  人)大藏吉次郎

    アド(太郎冠者)榎本  元

  • 『二人袴』

    シテ(聟)   大藏 教義

    アド(舅)   大藏吉次郎

    アド(太郎冠者)榎本  元

    アド(兄)   宮本  昇

 

  • 主  催:吉次郎狂言会・縁結びの街めぬま連絡協議会
  • 協  賛:(有)二木屋
  • 協  力:妻沼聖天山・劇団Q
  • 後  援:熊谷市・熊谷市教育委員会
         大藏吉次郎家後援会
  • 題  字:中東弘(枚岡神社宮司)

 

●参加費160,000円を現地へ勧進(寄付)致します。


 

 

    

 

 11月8日。思いがけない気温の変化に戸惑う事もなく、聖天さまも多くの人で賑わっていました。今年の6月に大修繕を終え、「埼玉日光」と呼ばれるほどの本堂の鮮やかな色彩が秋空に映え渡っていました。さらにこの日は「関東菊花名人奉納展」と重なり、境内には所狭しと沢山の菊が展示されていました。斎藤別当実盛公も右上の写真ように・・・。

 

 

 会場の「金剛殿」では着々と準備が行われ、150名の席を準備。うち半分は座布団で、もう半分はパイプいすを近隣の公民館からお借りしてきました。奥には仏壇があります。特別に松(鏡板)を背景には拵えませんでした。。「有るものを使う」それが吉次郎家のモットー。それ以前に、仏様を隠すなんて出来ませんね。

さて、ここが満員になる事を祈って・・・。どんな雰囲気になるのかと、STAFF一同、夜が待ち遠しかったです。

 

 

門前も準備万端です!看板の「KANJIN狂言」の文字は、院主様が書いて下さいました。そして開演に向けての腹ごしらえ。名物「聖天寿司」のお稲荷さんは、通常のものより長かった!

 

 

 

18:00開場。この日は11月とは思えないほど気温が下がってしまいましたが、それでも皆さん続々といらっしゃいました。受付にて鑑賞券を提示して頂き、「KANJIN狂言」のロゴマーク「カルミアの紋」の判子を押印。実はこの花の花言葉は「大きな希望」「さわやかな笑顔」。東北の方々に贈りたい言葉です。

 

 

開演10分前。用意した150席も、みるみる内に埋め尽くされ、最終的には151名のお客さんに観賞して頂きました。

 

 

 

19:00開演。最初に院主様よりお言葉を頂戴し、黙祷が捧げられました。また聖天さまと上田圭輔(吉次郎家内弟子見習い)との関係などお話し下さいました。次いで大藏教義から狂言観賞の手引や、狂言の「大笑い」をお客さんに体験してリラックスして頂きました。もう常套手段ですね。

 

 

 

 

 

演目は『棒縛』『二人袴』。地元出身の上田圭輔が登場すると会場は大賑わい。絶えず笑い声がしていました。

『二人袴』の袴が破けて2つになってしまうシーンでは、思いがけない拍手喝采が!狂言の舞台では、上演中に拍手が鳴るという事はあまりありませんが、これもお座敷ならではの醍醐味。なんと言っても演者と客席が近いのです。演目の面白さが客席に、客席の反応が演者に伝わる。そうして会場全体が密度の濃い空間になっていました。狂言人生の中で最高に笑い声と拍手の多い舞台でした!

 

 

 

最後は上田圭輔の「笑い止」で終演を迎えました。が・・・、彼の引き際に客席から「上田圭輔がんばれー!!!」「けいちゃん頑張ってね!」など、熱い声援が送られていました。これには私も、グッと胸に込み上げるものがありました。本当に温かい皆さんでした。

 

最後に、開催させて頂きました聖天山院主様、準備から片付けまでご協力下さいました高際様、エツミ様、葉山様、藤川屋青春館の須藤様(チケット代行)、当日1日中お手伝い下さった劇団Qの皆さま、誠に有難うございました。心より感謝申し上げます。

「年に1回」その言葉通り、実現できることを願ってます。