KANJIN狂言は寺社及び東北復興のための資金をつくる「勧進」を現代風にアレンジしたプロジェクト。
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KANJIN狂言の趣旨

 

 「勧進」とは元来、仏道に入る事を人に勧める意味ですが、 中世以降は寺社の建立や再建、修繕のための資金集めをさし、その手段として 狂言や能、相撲などが催されていました。

 

この「KANJIN狂言」は、今回の東日本大震災復興支援を目的とし、多方面への寄付金を集めるチャリティー企画として立ち上げました。

 

また、寺社における地域振興と狂言普及を目的としています。この企画にご賛同頂けるサポーター、スポンサーを募集しております。

 

僕らにしか出来ない「何か」をカタチにし、ご来場の皆様に「笑い」を届け、 1人でも多くの方が「幸せ」になれるよう祈っています。

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2011,10/22「茶利ティー×KANJIN狂言」公演レポ。

 

 ↑「能楽タイムズ」に当日の様子が掲載されました!

 

 

【公演レポート】

 継続的な義援金活動を啓発するプロジェクト「一歩一幸|IPPOIKKO」との共催。「チャリティー」と「お茶」をかけた、茶道家大屋一幸氏の活動「茶利ティー」で、お抹茶頂いて狂言鑑賞という形式でした。80名余りのお客様には狂言『棒縛』と『蝸牛』をご覧いただき、鳴り止まない拍手が感動的でした。参加費は「IPPOIKKO」から「シンデレラプロジェクト」(被災地の子供達に新しい靴をプレゼントする下北沢発の支援活動)へ寄付致しました。

 

●参加費のうち31,000円と募金箱11,200円をシンデレラプロジェクトへ寄付。

●参加費のうち63,000円を宗鏡寺から現地へ寄付。

 


 

 

 

 10月22日(土)。未明から降り始めた雨は、時に長雨の様に。時に嵐の様に。

秋らしい雨模様ではありましたが、やはりお客さんの足元を心配しながら、会場地である「聚光院伊東別院」へ向かっていました。

 

 

 敷地内に入り少し進むと、一見しただけではお寺であると分からないような近代的な建物が。

この「聚光院伊東別院」は、1997年に吉村順三氏の設計で創建・寄進され、氏の遺作でもあります。お寺というよりも博物館や美術館のような雰囲気で、天井から射す光や、ガラス張りの廊下は、自然が作る空間やその美しさを意識されて造られたように思えます。また千住博画伯の描かれた77面の襖絵も納められ、外観内観ともに一見の価値はあります!
 

 さて、この日1日お世話になる「茶利ティー」スタッフの方々や和尚様にご挨拶をし、「KANJIN狂言×茶利ティー」の準備が進んでいきました。(といっても、「茶利ティー」側のスタッフさんが既に全部セットして下さってました。)

 

 私たちは舞台の確認。千住氏の描いた「滝」の襖絵をバックに、寸法の異なる舞台での位置取りなど。そんなことをしていると、広間に太陽の光が集まって来ました。厚い雲は去り、開かれた窓側の庭越しには大海に浮かぶ伊豆大島の影が薄っすらと。

 

 

 

 開場してから狂言上演まで1時間。その間、お客さまには席主・大屋氏の点てるお抹茶を召し上がって頂きました。ホッと一息ついて頂いたところで、さあ、我々の番です!

 

 

 

  まずは私、大藏教義がご挨拶させて頂きました。この「KANJIN狂言」発足のきっかけと趣旨を説明し、あとはいつも通りに狂言の「大笑い」でリラックスしてもらいました。これでお客さんとの距離もググググっと近くなり、私も話しやすくなります。

 

 

 

 狂言の演目は『棒縛』と『蝸牛』。両曲とも、初めてでも分かりやすく、誰もが楽しめる演目と思って番組立てしました。皆さんの「楽し」そうな笑顔と「笑い声」が本堂に響き、私も皆さんの気と視線を、どう引き寄せ引き離そうかと、駆け引きのように楽しく演じる事が出来ました。

 


 

 相模灘がオレンジ色に染まり、次第に辺りは暗く。お客様のお帰りになられた本堂には、ホッコリとした温かさが残っていました。

 

 ご来場頂きました皆様、ご協力頂いた和尚様、聚光院伊東別院の皆様、ボランティアスタッフの皆様、そしてきっかけを作って下さった「IPPOIKKO」の大屋氏・ユウゾー氏、本当に有難うございました。

※「IPPOIKKO」による公演レポはこちら