晩秋の砌 皆さまには益々ご清祥の御事と拝察し 大慶に存じます
今年も「吉左右会」を開催する運びとなりました これも偏に皆々様の御後援の賜物と存じ厚く御礼申し上げます
今年は「機転」をテーマに『悪坊』『塗師』『磁石』を上演致します 窮地を打破する狂言の登場人物のアイディアと実行力をお楽しみください
皆さま御誘い合わせの上 ご来場賜りますよう ご案内申し上げます 謹白
大酒飲みで荒くれ者の悪坊は、旅の出家と道連れになり、長刀を振り回して出家を脅し、定宿へと供をさせます。宿屋の亭主にその素性を聞いた出家は、悪坊の寝入った隙に、長刀や小袖を自分の傘と衣にすり替えて逃げて行きます。
目覚めた悪坊は、自身の姿が変わっている事に驚きますが、これを機にと改心し、出家の志を立てるのでした。
前半の豪放さから後半の牙を抜かれたような悪坊の変化は、短いながら起伏に富んだ演目です。
前回の吉左右会では「貰聟」を勤めましたが、今回もお酒で気が大きくなる人物を演じる事になりました。
自身下戸なので経験がないのですが…、悪坊は目が覚めて、出家の姿に変わっている事を受け止め、出家の志を立てるというところは
素直な人物に思えます。前後のギャップを楽しみながら素直に演じてみたいと思います。
応対する平六の女房が理由を尋ねると、都で塗師が流行りすぎて仕事がなくなってしまったという。
女房は、師匠に滞在されては平六の仕事が減ると考え、平六は死んでしまったと出まかせを言う。
そこへ何も知らない平六が顔を出し、慌てた女房は幽霊の姿になって出てくるよう平六に言う。
師匠と女房が供養していると、平六が幽霊の格好になって登場し、塗り物の縁語や作業の手順を謡い
前半は通常の狂言ですが、後半は能に寄った演出となる珍しい演目です。
近江の国に所在する見付けから上京する田舎者に、馴れ馴れしく話しかける男。妙に親切で、妙に優しい。
実はこの男は人売りで、田舎者を騙して宿を紹介しますが、なんとこの宿の亭主も人買い。
それを知った田舎者は急いで逃げ去りますが、人売りが太刀を持って追っ駆けてきます。田舎者はとっさの機転で
「磁石の精」と名乗って人売りの太刀を飲みこもうとしますが、人売りが太刀を鞘に納めると死んでしまいました。
恐れた人売りは、田舎者に太刀を捧げて蘇生を祈っていると、田舎者は急に起き上がり、太刀を奪って人売りを追いかけて行くのでした。
何度も演じてますが、いつも「田舎者」の役ばかり。今回は思う存分シテを勤めさせて頂きます。
終始、人売りと田舎者の言葉のやり取りが多く、会話のテンポと質が問われます。
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●チケット(全席自由)
一般 5,000円 (後援会員4,000円)
学生 3,000円 (後援会員2,500円)
ペア 8,000円 (前売りのみ)
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大藏流吉次郎狂言会(03-3329-1835)に電話して申し込む
1、申込者氏名 2、性別 3、住所 4、電話番号 5、チケットの種類 6、チケット枚数
上記の内容をご記入のうえ大藏流吉次郎狂言会宛に送信して下さい。
http://eplus.jp/sys/main.jsp
①②は、お申し込み頂きましたら、チケットと振込用紙が届きますので1週間以内に指定の口座にご入金ください。
当日受付にてお支払い頂く事も可能です。その際はお申し込みの時にお申し付けください。
③はe+(イープラス)内の手順に従ってお支払いください。